アルファロメオ ミト QV&DCT2011/04/24 22:50

震災前の3月6日に試乗しました。
デビュー時に一度試乗してますが、エンジンが新たにマルチエアと呼ばれる新型になり、ミッションにも待望のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)が設定されたため、マニュアルミッションのQV(クアドリフォリオ ヴェルデ)とも比較して、試乗してみたいと思っていました。DCT車のグレードはCompetizione(コンペティツィオーネ)です。

●外観デザイン
久々に見ましたけど、1年半前と印象が変わって、カッコよく見えました。ハッチバックボディでCD値が0.29というのはすばらしいですよね。
こう見えても147よりもちょっとだけ室内が広いそうです。
外観上の違いとしては、QVはヘッドライトやテールランプの淵とミラーがつや消しグレーになっていますがDCT車はヘッドライトとテールランプの淵がメッキで、ミラーがボディ同色です。また、テールパイプはQVが2本出し、DCT車が楕円形の1本だしです。あと目を引くのはやはりホイールでしょうか。QVの18インチホイールはカッコイイと思いました。

                                この写真はクアドリフォリオヴェルデ
             全長4070mm×全幅1720mm×全高1475mm
                     ホイールベース2510mm
                 車重 QV:1250kg DCT:1260kg


●エンジン
マルチエアと呼ばれる1.4リッター直噴SOHCターボエンジンはDCT車が135ps、QVが170psです。体感的には数値ほどのパワー差は感じませんでした。どちらのグレードにも「D.N.A.」システムと呼ばれる可変モード切り替えがあり、「Dynamic」モードにすればパワーはDCT車でも十分だと思いました。
吹け上がりは、「Dynamic」モードであればどちらも軽快です。
音はQVのほうが低音が効いていてかっこいいです。DCT車は普通の音でした。
DCT車にはアイドリングストップ機構がついていますが、再始動までに1秒程度かかるため、発信時には前もってエンジンをかけておかないともたつきます。日産セレナのアイドリングストップの完成度の高さに比べると低く、積極的に活用しようという気になりません。
燃費はDCT車で12~13km/ℓとのこと。
●ミッション
DCTは非常に変速がスムーズです。クリープもあるため、ATと変わらぬ扱いやすさです。フォルクスワーゲンのDSGと比べるとこちらのほうがスムーズに感じます。
QVのマニュアルはとりたてて印象に残っていませんが、不快と思うような印象も残っていないので、節度感がないとか、ひっかかりを感じるといったことはなかったと思います。
●足回り
タイヤはDCT車がサイズ215/45R17 91Yで、銘柄がピレリ P ZERO NERO です。
クアドリフォリオヴェルデは215/40R18 89Wで、銘柄がダンロップ SP SPORT 01 です。
DCT車はパワーステアリングが妙に軽く、切ったときのフィーリングがちょっと人工的です。モードを「Dynamic」に切り替えれば多少重くなりますが、違和感はやはり残ります。QVのほうが自然なフィーリングです。電動パワステはフォルクスワーゲンやBMWのほうが自然なフィーリングに仕上がっていると思います。
DCT車は車体をフラットに保ち、快適に走行します。QVは初期型にみられたもっさりした動きが出ていて好きになれませんでした。QVのみ「D.N.A.」システムでダンパーまで可変するようになっていいるので「Dynamic」に切り替えてみたのですが、こんどは足は硬くなるのですが、その分細かい突き上げが出て、快適性が損なわれてしまいます。
●ブレーキ
効きは試せませんでしたが、フィーリングに違和感はありませんでした。
QVにはブレンボのブレーキが標準ですが、特別DCT車と差は感じませんでした。
●静粛性
静粛性は高いと思います。気密性を保つためなのか、ドアを開けたときにガラスが2cmほど下がり、今度ドアを閉めたあとにその下がった分がまた上がるようになっています。
●シート
イタリア人の体形に合わせた作りでクッションが効いており、背もたれも大型で快適です。唯一座面が長いため、足の短い典型的な日本人体系(身長164cm)の私には合わないのです。特にQVはマニュアルのため、クラッチを操作するたびにふくらはぎが当たってしまうほど長いので、このクルマでマニュアルに乗りたいとは思いませんでした。
●内装(インパネ)
初期型は見た目に質感の高さがなく、好きになれませんでした。QVは初期型の面影が残っており、やはり好きになれませんでした。
DCT車は結構気にいりました。なにが違うのか、よく比べてみました。
まず1つ目はDCT車のCompetizioneだけにオプションで設定されている部分的に赤が入ったインパネ、シート、ドアトリムであったこと。2つ目は天井のトリムが初期型、QVは黒なのに対し、DCT車はベージュで上質な雰囲気であったこと。3つ目はステアリングのデザイン自体は変わらないのですが、DCT車のほうが質感高くみえる塗装がしてあること。自分が気付いたのはこれだけの違いですが、これだけでも雰囲気がぜんぜん違って見えました。



メーターはシンプルな感じですが、数字がかっこよく、見やすいです。証明を点灯したときもきれいでした。メーターの下の目隠しが安っぽいので、ここをもうちょっとなんとかして欲しいですね。


1年半ぶりにアルファに乗りましたが、DCT車はプレミアムコンパクトとしての質感を備えてきた感じがしました。最近のフォルクスワーゲンはゴルフもポロも乗り味はしなやかで乗り心地がとてもいいのですが、乗り味・乗り心地はいいけれどもデザインが事務的すぎてつまらないという人にはこのミトはおすすめです。ただし、この乗り味がアルファなのかと言われると、どうなのかなという気がしています。自分の中では1年半前に乗った147の印象が強烈に残っています。生粋のアルフィスタからみれば、147でもたいしたことはないのかもしれませんが、そのときアルファロメオのクルマに初めて乗った私には、ツインスパークエンジンの音、軽快にはしるけれどちょっと足回りが硬くて、がっしりしたボディやシートが足回りの不快さを補っていたりと、他メーカーにはないものを感じました。ただしそのときは、5ドアでMiToより使い勝手は良いと思ったのですが、家族で乗るにはちょっとリアが狭くかったのと、セレスピードと呼ばれるシングルクラッチのセミオートマの出来が、現代のクルマとしては洗練されていないと思ったので、買うまでにはいたりませんでした。もともと147に乗っていた人が最後のツインスパークといことで結構買い替えをしていてすでに在庫はないそうです。今考えると買っておけばよかったかなとちょっと後悔しています。もう売っていないクルマのことで悩んでもしょうがないので、今のモデルのことを考えると、MiToのDCT車も気に入ったのですが、やはり家族のことも考えると年末に登場するとのうわさがある147の後継であるジュリエッタに期待しているといったところでしょうか。